金額と税抜か税込かを選べば、3つの額がその場で出る
- 「1つの金額」のまま、金額を円で入れる。1,000のようにカンマが入っていても、全角の数字でも読む。
- 入れた額が税抜か税込かを選ぶ。税抜なら消費税を足し、税込なら中に含まれる消費税を割り戻す。
- 税率を10%、8%、1%(予定)から選び、1円未満を切り捨てるか、四捨五入するか、切り上げるかを選ぶ。結果の下に3つの処理の額が並ぶので、1円の違いはそこで見る。
- 請求書のように金額が何行もあるときは「複数の金額(合計)」に切り替え、行ごとに金額と税率を入れる。Excelの金額の列をコピーして1行目に貼ると、行に分かれて入る。
「結果をコピー」で数字とURLを一度に写せる。URLには入れた金額が入っているので、送れば相手の画面で同じ結果が開く。前回の入力はこの端末のブラウザに残る。
税率は10%と8%。丸めるのは消費税額のほうで、税率ごとに1回
税率は国税庁のタックスアンサーNo.6303で確かめた。標準税率は10%で、内訳は消費税7.8%と地方消費税2.2%。軽減税率は8%で、6.24%と1.76%だ。8%になるのは酒類と外食を除く飲食料品の販売と、週2回以上発行される新聞の定期購読になる。
税抜から出すときは、税抜×税率で消費税を出して1円未満を丸め、税抜に足して税込にする。税込から出すときは、税込×10/110(8%なら8/108)で消費税を出して丸め、税込から引いた残りを税抜にする。丸めるのはどちらも消費税額で、税抜の額を丸めることはしない。割り戻しの形は消費税法施行令第70条の10第2号に合わせた。
端数をどちらに丸めるかは事業者が選べる。国税庁のインボイスQ&Aの問57は、切り上げ、切り捨て、四捨五入などの方法を任意としている。決まっているのは回数のほうで、適格請求書1枚につき税率ごとに1回だ。行ごとに丸めて足した額を消費税額として書くことは認められない。「複数の金額(合計)」はこの決まりで、税率ごとに金額を合計してから1回だけ丸める。比べるために、行ごとに丸めて足した額と、その差も出している。
計算は整数だけで行う。税抜100円に1.1を掛けて切り上げると、JavaScriptでは100×1.1が110.00000000000001になり、111円が出てしまう。このツールは100×10÷100の形で割り算を1回にし、余りで端数を判定するので110円になる。
1%は、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の税率を国と地方の合計で1%に下げる案だ。国税庁のリーフレット(2026年9月)は、2026年9月15日に閣議決定された大綱の内容で、法案が国会で可決・成立した場合のものだと書いている。成立前の税率なので、選ぶと画面に予定と出る。国税と地方の内訳はリーフレットに書かれていないので出していない。
確かめた資料は次のとおり。
- 国税庁タックスアンサー「No.6303 消費税の税率」「No.6902 「総額表示」の義務付け」(2026年10月19日確認)
- 国税庁「消費税率引下げ特設サイト」と「2年間の消費税率引下げについて(リーフレット、令和8年9月)」(2026年10月19日確認)
- 国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」問57(2026年10月18日確認)
- e-Gov法令検索「消費税法施行令」第70条の10(2026年10月18日確認)
計算はJavaScriptとPythonで別々に書いて突き合わせた。0円から3,000円までの全部の金額と、1兆円までの乱数などに、税抜・税込の2通り、税率3つ、端数処理3つを掛けた126,576件と、1行から200行までの明細3,001件で、不一致は0件だった。記事で使った税込54,999円や税抜100円の切り上げも同じ額になる。
対応していないものもある。1円未満を含む単価、値引きや返品のマイナスの行、経過措置で残る旧税率の8%(消費税6.3%と地方消費税1.7%)、国税と地方消費税の内訳、免税事業者の価格の付け方は入れていない。1兆円を超える金額と、201行以上の明細も計算しない。
計算する前に聞かれそうなこと
税込から税抜を出すと、1.1で割った額と1円違うのはなぜか
丸める額が違うからだ。税込1,000円で切り捨てを選ぶと、このツールは消費税を1,000×10/110=90.90…円から90円とし、税抜を910円にする。1,000÷1.1=909.09…円の税抜を切り捨てると909円で、消費税は91円になる。インボイスの割り戻しは消費税額の側を丸める形なので、ツールはそちらに合わせた。四捨五入なら、税込1,000円はどちらの出し方でも税抜909円になる。
8%と10%のどちらで計算すればいいか
酒類を除く飲食料品の販売と、週2回以上発行される新聞の定期購読が8%で、それ以外は10%だ。外食は飲食料品の販売に含まれないので10%になる。迷う品目は国税庁の軽減税率制度のQ&A(個別事例編)で確かめる。
見積書の消費税と請求書の消費税が合わない
見積書を明細の行ごとに丸めて作っていると起きる。「複数の金額(合計)」で同じ明細を入れると、税率ごとに1回で丸めた額と、行ごとに丸めて足した額が並び、その差が何円かが出る。適格請求書に書く消費税額は税率ごとに1回で出すので、見積書もその形に揃えると一致する。
入れた金額はどこかに送られるか
送られない。計算はすべてブラウザの中で行い、入れた金額はサーバーに届かない。端末に残るのは前回の入力だけで、ブラウザのサイトデータを消せば消える。
1円の端数が効く場面は記事で数えた
25行の請求書を行ごとに切り捨てると、税率ごとに1回のときより消費税が9円減った。行数を変えたときの差と、切り捨てと切り上げで税額が違う通り数は消費税の端数処理の記事に書いた。
税込54,999円の領収書は、消費税を切り捨てると本体が50,000円になって200円の印紙が要り、四捨五入なら本体49,999円で要らない。このツールで税込54,999円を入れて端数処理を切り替えると、その1円が見える。印紙の線は領収書の印紙と消費税の書き方の記事にある。
2割特例が終わったあと、売上の消費税から納税額がいくらになるかはインボイスの2割特例はいつまでかの記事で計算した。明細と登録番号を入れて書類まで作るなら、請求書・見積書の作成ツールが同じ順番で、税率ごとに合計してから1回で税額を出す。