会議のコストは10人で1時間3万3,512円。月給を160時間で割ると1万円少なく出る

2026-10-06Excelの使い方
会議の値段を出す表(Excel、令和8年度の料率)をダウンロード

無料・登録不要 / 28KB / 版 1.0 / Excel 2010以降

厚生労働省の毎月勤労統計調査で、令和7年の平均的な働き方をしている人が10人集まると、1時間の会議に会社が払っている額は3万3,512円になる。1分あたり559円だ。賞与と、会社が払う社会保険料と労働保険料まで入れて、1年に実際に働いた1,926時間で割った。

会議のコストの出し方としてよく見る「月給を160時間で割る」やり方だと、同じ10人で2万3,007円になる。1万505円、3割少ない。賞与と会社負担の2つがまるごと抜けるからだ。

10人で1時間の会議の値段を出し方ごとに比べた図。月給÷160時間で23,007円、年収÷2,000時間で27,955円、給与だけで29,029円、給与+会社負担÷1,926時間で33,512円、労使の合計の率を掛けると37,852円

給与と労働時間は厚生労働省の毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報から取った。料率は協会けんぽの令和8年度の保険料率のページと東京支部の保険料額表、厚生労働省の令和8年度雇用保険料率のご案内と令和8年度の労災保険率のページで確かめた。どれも2026年10月6日に確認した。計算はMicrosoft 365のExcel(バージョン16)で確認、2026年10月6日。配布している表に参加者の月給と賞与を入れると、自分の会議の値段が出る。

1人1時間の値段は、年間の給与に会社負担を足して、働いた時間で割る

毎月勤労統計の一般労働者は、パートタイム労働者を除いた常用労働者のことだ。事業所規模5人以上、調査産業計の令和7年の1か月平均は、現金給与総額が465,923円。このうち毎月決まって出る給与が368,111円、賞与などの特別に支払われた給与が97,812円だった。総実労働時間は160.5時間で、所定内の147.3時間と残業などの13.2時間を足したもの。

1年にすると給与は5,591,076円、労働時間は1,926時間になる。給与だけを時間で割ると1時間2,903円。ここに、会社が給与とは別に払っている保険料を足す。

会社が払う保険料は6つある。健康保険料と子ども・子育て支援金と厚生年金保険料は、本人と半分ずつ持つ。子ども・子育て拠出金は会社だけが払う。雇用保険料は会社のほうが多く持ち、労災保険料は全額が会社だ。平均の人1人について1年分を出すと、こうなった。

会社が払うもの 率(会社の分) 掛ける額 1年分
健康保険料(東京都) 9.85%の半分 標準報酬月額と標準賞与額 270,481円
子ども・子育て支援金 0.23%の半分 同じ 6,316円
厚生年金保険料 18.3%の半分 同じ 502,518円
子ども・子育て拠出金 0.36% 同じ 19,771円
雇用保険料(一般の事業) 1,000分の8.5 支払った給与 47,524円
労災保険料(その他の各種事業) 1,000分の3 支払った給与 16,773円
計 863,383円

社会保険料は、実際の給与ではなく標準報酬月額に掛ける。月給368,111円は35万円以上37万円未満の等級に入るので、標準報酬月額は36万円。賞与は1か月平均の97,812円を12倍して年2回に分け、1回586,872円とした。千円未満を切り捨てた標準賞与額は586,000円になる。

会社負担の合計は給与の15.44%。給与と足して1,926時間で割ると、1人1時間3,351円になる。10人で33,512円、60で割って1分559円だ。週1回のこの会議を52回開くと、1年で174万2,637円になる。

1,926時間には有給休暇で休んだ時間が入っていない。毎月勤労統計の用語の説明に、実労働時間から有給休暇取得分を除くと書いてある。休んだ日の給与も、働いた時間に割り振られている勘定だ。私はこれで合っていると思う。会議の1時間は、休んだ日の分まで含めて払った給与で買っている。

40歳から64歳の人には介護保険料1.62%の半分が加わる。10人全員がそうなら、1時間の会議は33,743円で、231円上がるだけだった。

会議のコストを月給÷160時間で出すと、なぜ3割も少なく出るのか

月給368,111円を160時間で割ると2,301円で、10人なら23,007円。正しい額より10,505円、31.3%少ない。抜けているのは3つある。年1,173,744円の賞与、863,383円の会社負担、そして時間が1,920時間で、実際より6時間少ないことだ。時間のずれは額を少し上げる向きに働くが、前の2つが大きすぎて打ち消せない。

上位に出てくるページでよく見るのは、年収を2,000時間で割るやり方だ。賞与は入るが、会社負担が入らず、時間が74時間多い。10人で27,955円になり、5,557円、16.6%少ない。

給与だけを正しい1,926時間で割っても、29,029円で4,483円足りない。会社負担の15.44%が抜けるだけで、これだけ違う。

逆に多く出るのが、保険料率を労使の合計で足してしまう間違いだ。健康保険9.85%、支援金0.23%、厚生年金18.3%、拠出金0.36%、雇用保険1.35%、労災0.3%で30.39%になる。これを年収に掛けると37,852円で、4,339円、12.9%多い。本人が持つ半分は給与から引かれているので、給与の額に最初から入っている。足すと二重に数えることになる。

配布した表の1枚目のB15からB18に、この4つの出し方の額と、正しい額との差を並べた。差が赤なら少なく、緑なら多く出ている。

会議の値段を出す表。会議の長さ60分、年52回、東京都、一般の事業、労災0.3%、年間1,926時間を入れると、正しい額33,512円、1分あたり559円、1年分1,742,637円が出る。取り違え1から4の額と差も並ぶ

部長が1人いると、会議の値段の18%を占める

全員が平均の人という会議はない。2枚目のシートに、役職の違う10人を架空で入れた。部長が1人で月給60万円、賞与120万円を年2回、52歳。課長が2人で月給45万円と賞与90万円、主任が3人で月給32万円と賞与60万円、担当が4人で月給24万円と賞与40万円にした。課長と主任の1人ずつは40歳以上にしてある。

この10人の1時間は32,407円だった。部長1人の1時間は5,798円で、全体の17.9%。担当4人を足しても8,843円で、部長1人の1.5倍しかない。

数字を見て思ったのは、人数を減らすより時間を削るほうが効くことが多い、ということだ。担当を1人外しても2,211円しか下がらない。60分を45分にすれば8,102円下がる。部長に途中から入ってもらう手もある。部長が最後の15分だけ出れば、4,348円下がる。

平均の人10人の会議を30分にして6人に絞ると、1回10,054円になった。週1回なら年522,791円で、60分10人のときより121万9,846円少ない。

年収が高い人ほど、会社負担の割合は下がる

会社負担は給与の15%前後と書いたが、年収が上がるとこの割合が下がる。3枚目のシートで、年収を平均の人と同じ割合で月給と賞与2回に分けて並べた。月給×12が年収の79.0%になる分け方だ。

年収 会社負担 給与に対する割合 10人で1時間
300万円 475,074円 15.84% 18,043円
500万円 768,704円 15.37% 29,952円
600万円 967,899円 16.13% 36,178円
1,000万円 1,555,159円 15.55% 59,996円
1,500万円 1,950,943円 13.01% 88,011円
2,000万円 2,273,043円 11.37% 115,644円

下がるのは、厚生年金の標準報酬月額が65万円、標準賞与額が1回150万円で頭打ちになるからだ。この分け方だと、年収1,000万円で月給が65万円の上限に届き、1,500万円で賞与も150万円を超える。上限より上の給与には、厚生年金保険料も拠出金も掛からない。

600万円だけ割合が上がっているのは、標準報酬月額の区切りのせいだ。月給395,034円は39万5千円以上42万5千円未満の等級に入り、41万円として保険料が掛かる。実際の月給より14,966円高い額に率が掛かっている。

年収ごとの人数の分布は、平均給与と年収の中央値の記事に国税庁の統計で出した。賞与から引かれる保険料の端数の扱いは、冬のボーナスの手取りの記事に書いた。

定時を過ぎて延びた30分は、10人で1万4,453円の割増賃金が別に出る

ここまでの会議の値段は、定時の中なら会社の支出が増えるわけではない。月給は会議があってもなくても同じだけ払う。3万3,512円は、その1時間をほかの仕事に使っていたら得られたものの値段だと私は考えている。

定時を過ぎると話が変わる。延びた分は時間外労働になり、割増賃金を現金で払う。労働基準法第37条と、割増率を定める政令で、時間外は2割5分以上。月給の人の1時間の賃金は、労働基準法施行規則第19条で、月給を1か月の所定労働時間で割って出す。第21条で、家族手当、通勤手当、住宅手当、1か月を超える期間ごとに払う賃金などは、割増の基礎から除く。賞与はここで外れる。

平均の人の所定内給与340,634円を所定内労働時間147.3時間で割ると、1時間2,312.5円。2割5分を足して2,890.6円になる。会議が30分延びて10人が残ると、14,453円の割増賃金が出る。雇用保険と労災保険の会社分166円を足すと14,619円だ。

意外だったのは、割増を足した1時間2,891円が、平均の1時間3,351円より安いことだ。賞与と社会保険料が割増の基礎に入らないためだ。とはいえこちらは、会社から出ていく現金が実際に増える。統計の所定内給与には家族手当なども入っているので、実際の割増はこれより少し低い人が多いはずだ。残業代そのものの数え方は、勤怠表で残業時間を出す記事に書いた。

会議に出る1人の1時間の値段に何を入れるかの流れ図。賞与をもらっていれば月給×12に足す。社会保険に入っていれば会社負担の保険料を足す。会議が定時を過ぎたら、過ぎた分は割増賃金が別に出る

自分の会議の値段を表で出す手順

配布した表の1枚目で出す。

  1. B3に会議の長さを分で、B4に年に開く回数を入れる。
  2. B5で都道府県、B6で事業の種類を選ぶ。健康保険料率と雇用保険料率がこれで決まる。
  3. B7の労災保険率を、勤め先の事業の種類に合わせる。事務の会社に多い「その他の各種事業」は1,000分の3。
  4. A22から下に参加者を1人1行で入れる。月給は毎月の総支給、賞与は1回の額と年の回数。40歳から64歳なら「はい」にする。
  5. B11に1回の値段、B12に1分あたり、B13に1年分が出る。

参加者の月給が分からないときは、役職ごとの見当で入れて構わない。私が使うときは、会議を始める時刻が5分遅れたら何円かを見ている。平均の人10人なら2,793円だ。

B8の年間の労働時間は、初期値が統計の1,926時間になっている。残業の多い職場は増やし、少ない職場は減らす。協会けんぽではなく健康保険組合に入っている会社は、料率のシートの率を書き換える。

確かめていないこと

退職金の積み立て、福利厚生費、会議室の費用、資料を準備する時間は入れていない。厚生労働省の就労条件総合調査に会社が払う労働費用の内訳があるはずだが、今回は見ていない。

統計の平均の人が40歳以上かどうかは決めていない。毎月勤労統計の年平均の表には、年齢別の給与と労働時間が出ていなかった。全員40歳未満なら33,512円、全員40歳から64歳なら33,743円で、その間のどこかになる。

賞与は年2回同じ額と置いた。統計にあるのは1か月平均の額だけで、回数と1回の額は分からない。この額なら標準賞与額の上限に届かないので、分け方を変えても会社負担はほとんど動かない。

統計の所定内労働時間147.3時間は、実際に働いた時間で、就業規則の所定労働時間ではない。割増賃金の単価を正しく出すには、勤め先の1か月平均所定労働時間を使う。

健康保険組合の料率、厚生年金基金の免除保険料率、賞与が年4回以上ある人の扱いは、表に入れていない。

動作確認: Microsoft 365のExcel(バージョン16) / Windows 11 / 2026-10-06確認

会議人件費時給換算社会保険料テンプレート