ふるさと納税のポイント廃止は2025年10月から。カードの分は残り、禁止が始まった年度も寄附は1兆3,314億円で過去最高だった

2026-10-18仕事の型

ふるさと納税の寄附に付くポイントのうち、ポータルサイトとポイントサイトが付ける分は2025年10月1日から禁止になった。カード会社が買い物のときと同じ率で付けるポイントが今も残る。止まったのはポイントだけで、2,000円の負担で済む上限の計算は変わっていない。

意外だったのは寄附の額だ。禁止が年度の途中から始まった令和7年度(2025年4月〜2026年3月)も、全国の受入額は1兆3,314億円で前の年度より4.6%増え、過去最高になった。自治体がポータルサイトの運営事業者に払った額も、返礼品の調達と送料を除いて1,490億円と、前の年度より111億円増えている。

寄附で付くそのポイントが2025年10月1日から禁止の対象か。ポータルサイトかポイントサイトが付けるなら禁止。カード会社や決済事業者がふるさと納税の分だけ上乗せするなら禁止。買い物と同じ率で付く決済のポイントが残る

条文は、総務省の報道資料(2024年6月28日)に付いた改正告示の新旧対照表(令和6年総務省告示第203号)と、2026年3月31日の改正まで反映した平成31年総務省告示第179号で読んだ。対象の線引きは指定制度の運用についてのQ&A(2026年4月1日、総税市第33号)、自治体への注意は2026年9月25日の通知、寄附の額はふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)、法律はe-Gov法令検索の地方税法第37条の2で見た。楽天ふるさと納税の扱いは楽天市場のポイント付与ルール変更のおしらせと反対署名のページだ。どれも2026年10月18日に確認した。

割合と差額は、Pythonで小数の割り算と分数の割り算の2通りに計算し、総務省の公表値と17行を照合した。不一致は0行だった。

ふるさと納税のポイントがいつから付かなくなったか。告示の附則に2025年10月1日とある

禁止の文が向いている先は、寄附する人でもポータルサイトでもなく、自治体だ。地方税法第37条の2第2項は、控除が付く自治体を総務大臣が指定する決まりで、基準の1つに「募集の適正な実施に係る基準」がある。その中身を書いたのが平成31年総務省告示第179号で、2024年6月28日の告示第203号が、自治体がしてはいけない募集にこの1行を足した。

第一号寄附金の寄附に伴って寄附者に対し金銭その他の経済的利益(第一号寄附金に係る決済に伴って提供されるものであって、通常の商取引に係る決済に伴って提供されるものに相当するものを除く。)を提供する者(第三者を通じて提供する者を含む。)

この者を通じて募集すると、自治体は指定の基準に合わなくなる。ポイントを付けるサイトに自治体が載れなくなるので、サイトの側がポイントをやめた、という順番だ。

いつからかは、告示第203号の附則第2項第2号にある。この行は「令和七年十月一日」以後に始まる期間の指定に適用する。指定は10月1日から翌年9月30日までの期間ごとなので、2025年10月1日からの指定で初めて効いた。告示は2024年6月28日に施行されていて、ポイントの行だけ1年3か月あとに回されていた。

条の番号は途中で変わった。告示第203号のときは第2条第1号ロ⑵で、2026年3月31日の告示第145号で条が1つずれ、今は第3条第1号ロ⑵になっている。指している文は同じだ。

禁止の前、ポータルが自分で払うポイントが3割の外にあった

2024年7月16日に出たQ&Aの問12は、ポータルサイトが付けるポイントでも、自治体が追加で費用を負担していれば返礼品に含める、としていた。返礼品の調達費は寄附額の3割以下なので、自治体が払うポイントもその3割に数えられる。

逆に言えば、ポータルサイトが自分の費用で付けるポイントが3割の外だった。楽天は反対署名のページで、ポイント付与は「当社負担で実施しています」と書いている。返礼品の決まりでは届かないので、募集の決まりの側に1行を足したのだと私は読んだ。

楽天ふるさと納税で何が付かなくなったか

ポータルサイトの対応で、私が一次情報で確かめられたのは楽天ふるさと納税だけだ。楽天市場のおしらせは、2025年10月1日以降の寄附で次のポイントが付かなくなったと書いている。

  1. 楽天市場のお買い物通常ポイント(100円につき1ポイント)。
  2. スーパーSALEやお買い物マラソンなどの買いまわりのカウントとポイント。
  3. 全ショップ対象キャンペーンのポイント。
  4. SPUのうち16のサービスの上乗せ分。楽天モバイルの+4倍、楽天トラベルの+1倍、楽天銀行と楽天カードの+0.5倍などが並んでいた。

通常ポイントだけで数えると、6万円の寄附で600ポイント、10万円で1,000ポイントが付かなくなった。買いまわりとSPUを重ねていた人の減り方は倍率ごとに違うので、私は数えていない。おしらせの終わりには、カード決済に伴うポイントが引き続きカード会社から付く、と書いてあった。

楽天は禁止に反対した。2025年3月16日の時点で2,952,819件の署名を集めて3月18日に首相へ出し、7月10日には告示の無効確認を求める行政訴訟を東京地方裁判所に起こしている。全面禁止が地方税法の委任の範囲を超える、という主張だった。ページの最後の更新は2025年7月11日だ。

クレジットカードのポイントも消えたのか。ふるさと納税の分だけの上乗せが対象になる

告示の括弧書きが、カードのポイントを分けている。Q&Aの問1の3は、これを3つに分けて説明していた。

  1. ポータルサイトの運営事業者などが付けるポイントが対象になる。名前がマイルでもコインでも、直接か間接かを問わない。
  2. ポイントサイトを通ってポータルサイトに移って寄附したときに付くポイントも対象になる。寄附に相当程度関連するから、という理由だ。
  3. カード会社やキャッシュレス決済の事業者が決済に伴って付ける分は、ふつうは除かれる。ただし、ふるさと納税の決済だけを対象に追加で付けるもの、ふるさと納税以外のサービスの使い方に応じて追加で付けるものは除かれない。

例で数える。率が1%のカードで6万円を寄附すると、買い物と同じ600ポイントが付く。これは残る。同じカードに「ふるさと納税の決済はさらに2%」という上乗せがあれば、上乗せの1,200ポイントが3つ目のただし書きに当たる。

取り違えやすい例が2つある。1つは、ポイントサイトの広告からポータルサイトに移って寄附する形だ。2025年9月までは付いていたが、2つ目に当たるので、今もポイントサイトに広告が残っていても寄附の分で付くとは限らない。もう1つは、返礼品とは別の「おまけ」を表示した募集だ。2026年9月25日の通知は、返礼品の事業者がいつもの返礼品とは別に物を出すと表示して募集すると、この基準に違反するおそれがある、と自治体に書いた。8月20日の別の通知も、「コスパ」「物価高応援」のように割安だと思わせる表現を問題にしている。ポイントが消えたあとの競争は、こういう表示に移っていたのだと思う。

自治体が禁止を破ったら、寄附した人の控除はどうなるか

基準を破った自治体は、指定を取り消されうる(地方税法第37条の2第5項)。寄附した人に効くのは第9項で、特例控除が付くかどうかは寄附した時にその自治体が指定されているかで決まる。寄附したあとで取り消されても、寄附した日に指定されていれば控除は付く。2026年10月1日からの指定の一覧は、総務省のふるさと納税のページに令和8年総務省告示第354号として載っている。

返礼品3割、自己負担2,000円、上限の計算は変わっていない

禁止になったのはポイントの1行で、寄附した人が使う数字は動いていない。返礼品の調達費は寄附額の3割以下(第37条の2第2項第3号)。控除が付くのは寄附から2,000円を引いた額で、住民税の特例分は所得割の2割が上限(同条第11項)。年収と家族ごとの上限はふるさと納税の上限額の早見表のとおりで、ポイントの有無では1円も変わらない。

今年分になる最後の日も同じで、カードは12月31日の決済まで、振込は12月30日の入金までだ。払い方ごとの締切はふるさと納税はいつまでに申し込めば今年分かの記事に書いた。寄附先が5か所以内ならワンストップ特例で確定申告を省ける決まりも続いている。

5割ルールは2026年10月から変わった。募集の費用は47.5%まで

書き始める前、私は3割の決まりも5割の決まりも変わっていないと思っていた。調べると、5割のほうは変わっていた。

これまでは告示の中に、募集にかける費用を寄附額の5割以下にする基準があった。2026年の地方税法の改正でこれが法律に移り、寄附額から募集の費用を引いた残り(法律の言葉で寄附金活用可能額)を寄附額の60%以上にする形になった(第37条の2第2項第2号イ)。現況調査の資料によると60%へは段階的に上げ、2026年10月からの指定では52.5%だ。9月25日の通知も、令和8年の指定期間は100分の52.5以上と書いている。

募集にかけた費用の割合と2026年10月からの上限。令和7年度の実績は47.9%、令和8年指定の上限は47.5%、令和9年は45.0%、令和10年は42.5%、令和11年以降は40.0%

令和7年度の全国の募集費用は6,382億円で、受入額の47.9%だった。内訳は返礼品3,528億円、送付756億円、広報93億円、決済196億円、事務費等1,809億円。この割合のままだと、全国の合計で上限を超える。

指定の年 残りの下限 費用の上限 令和7年度の費用が上限を超える額
令和8年(2026年10月〜) 52.5% 47.5% 約58億円
令和9年 55% 45% 約391億円
令和10年 57.5% 42.5% 約723億円
令和11年以降 60% 40% 約1,056億円

基準は自治体ごとにかかるので、全国の合計で超えても、個々の自治体が超えるとは限らない。それでも令和7年度と同じ寄附額なら、60%になる年には全国で1,000億円あまりの費用が削られる計算だ。ポータルサイトの手数料には、ポイントの禁止よりこちらが効くと私は見ている。

ポイントが止まった年度も、寄附は過去最高だった

現況調査は4月から翌年3月までの年度で数えるので、令和7年度は前半6か月がポイントあり、後半6か月がポイントなしになる。

項目 令和6年度 令和7年度 差
受入額 1兆2,728億円 1兆3,314億円 +587億円
受入件数 5,879万件 5,963万件 +84万件
ポータルサイトを経由した割合 94.5% 97.2% +2.7ポイント
ポータルへの支払(調達と送付を除く) 1,379億円 1,490億円 +111億円
募集の費用の割合 46.4% 47.9% +1.5ポイント

ポイントが消えても、寄附の97.2%がポータルサイトを通っていた。ポータルへの支払1,490億円は、ポータル経由の受入額の11.5%で、令和6年度も11.5%だった。ポイントの原資がポータルの負担だったとしても、やめた分だけ自治体の払う手数料が下がる形にはなっていない。

暦年でも向きは同じだった。2025年1月〜12月の寄附にかかる令和8年度の住民税の控除は9,524億円、控除を受けた人は1,151万人で、どちらも前の年より増えている。

ただ、9月に駆け込みがどれだけあったかは、月ごとの数字が現況調査に無いので分からない。12か月ずっとポイントなしの令和8年度の数字が出るのは、2027年の夏になる。

確かめていないこと

楽天が2025年7月10日に起こした訴訟が、2026年10月18日の時点でどうなっているかは確認していない。

楽天ふるさと納税以外のポータルサイトが2025年10月1日にどのポイントを止めたかは、各社のおしらせを見つけられず書いていない。ポイントサイトの今の扱いも1つずつは見ていない。カード会社ごとの率と、ふるさと納税だけの上乗せをしているカードがあるかも調べていない。例の1%と2%は計算のための仮の率だ。

自治体ごとの募集費用の割合は、総務省の資料に無いので数えていない。9月25日の通知は、令和8年の指定期間の割合を実績調査すると書いていた。結果が出たら、52.5%に届かなかった自治体の数をここに足す。

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