2027年に25日払いの会社で、給料が25日より前に出るのは4回ある。4月23日、7月23日、9月24日、12月24日で、どれも金曜だ。休みなら前の営業日に払う決まりで数えた。7月23日の次の給料は8月25日で、そのあいだが33日あく。1年で一番長い。
月末払いで「休みなら翌営業日に払う」と決めている会社は、ずれ方がもっと大きい。2027年は1月、2月、7月、10月、12月の5回、月末の給料が翌月に出る。そのせいで7月、10月、12月の3つの月は、給料が1回も振り込まれない。
祝日は内閣府の国民の祝日についてのページで配っている祝日のCSVを2026年10月6日に取って使った。CSVの最終更新は2026年2月2日で、2027年11月23日までが載っている。銀行の休日はe-Gov法令検索の銀行法第15条と銀行法施行令第5条、賃金の払い方は労働基準法第24条で、どれも同じ日に確かめた。計算はMicrosoft 365のExcel(バージョン16)で確認、2026年10月6日。同じ日付をPythonでも出し直し、2016年1月から2027年12月までの144か月で全部一致した。
25日払いが早まるのは、25日が土日の月だけ。2027年は4回
25日という日付の祝日は1つもない。だから25日払いが早まるのは、25日が土曜か日曜に当たった月に限られる。2027年は4月と7月の25日が日曜、9月と12月の25日が土曜だった。土曜なら1日、日曜なら2日早まる。
祝日が効いてくるのは、早めた先の24日や23日が祝日のときだ。2027年に23日か24日に当たる祝日は、2月23日の天皇誕生日、9月23日の秋分の日、11月23日の勤労感謝の日の3つある。2月と11月は25日が木曜で平日、9月は25日が土曜で24日の金曜に払うので、23日まで下がらない。2027年に3日以上早まる月はない。
2016年からの12年で数えると、25日払いが早まったのは144か月のうち42回だった。1年あたり3.5回。少ない年は2019年の2回で、残りの年は3回か4回だった。3日以上早まった月は6回あり、どれも23日か24日の祝日が絡んでいる。
| 月 | 25日の曜日 | 払った日 | 早まった理由 |
|---|---|---|---|
| 2016年12月 | 日曜 | 22日(木) | 23日が天皇誕生日 |
| 2018年11月 | 日曜 | 22日(木) | 23日が勤労感謝の日 |
| 2020年7月 | 土曜 | 22日(水) | 23日が海の日、24日がスポーツの日 |
| 2021年7月 | 日曜 | 21日(水) | 22日が海の日、23日がスポーツの日 |
| 2022年9月 | 日曜 | 22日(木) | 23日が秋分の日 |
| 2024年2月 | 日曜 | 22日(木) | 23日が天皇誕生日 |
2020年と2021年の7月は、東京大会に合わせて海の日とスポーツの日が動いた年で、CSVの日付どおりに数えている。2021年7月は4日早まって21日になり、次の8月25日まで35日あいた。12年で一番長い間隔はこのときだった。
天皇誕生日が12月23日だった2018年までは、12月の25日払いも祝日に引っかかった。2016年12月がその例になる。2020年から天皇誕生日は2月23日なので、今は2月の25日が日曜の年に同じことが起きる。2024年2月がそれだった。
給料から次の給料まで、2027年は28日から33日
前倒しはその月だけでなく、前後の間隔を両方動かす。7月の給料が23日に早まると、6月25日からは28日しかなく、次の8月25日までは33日ある。4月23日のあとの5月25日も32日あいた。
28日の間隔は2つあって、1つは7月23日、もう1つは3月25日だ。3月25日は前倒しではなく、2月が28日までしかないので毎年こうなる。
25日から次の25日までで家賃やカードの引き落としを回している人には、8月の33日が一番苦しい月になる。間隔の一覧は表の2枚目のH列にあり、年と給料日を変えると出し直される。
月末払いを休みなら翌営業日にすると、給料の出ない月ができる
25日払いを後ろ倒しにしても、月はまたがない。25日が日曜でも26日の月曜に払えば同じ月のうちだ。困るのは月末払いを後ろ倒しにしたときで、2027年の動き方はこうなった。
1月31日は日曜なので2月1日、2月28日は日曜なので3月1日、7月31日は土曜なので8月2日、10月31日は日曜なので11月1日に出る。12月31日は金曜だが、銀行は12月31日から1月3日まで休むので、2028年1月4日の火曜まで遅れる。1月から12月の月ごとに数えると、7月、10月、12月は給料が1回も入らない。3月、8月、11月は1日と月末の2回入る。
労働基準法第24条第2項は、賃金の払い方をこう決めている。
賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。
厚生労働省の確かめよう労働条件のQ&Aは、毎月払いの原則の目的を、支払の間隔が開きすぎて生活が不安になるのを防ぐことだと書いている。月末払いの後ろ倒しで7月に1回も払わないのは、この条文の文字どおりには「毎月一回以上」に届かない。社労士事務所などの解説はこの決め方を認められないとしていて、私もそう読んだ。ただし通達の原文には当たっていない。
厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)の第46条は、支払日が休日に当たる場合は「その前日に繰り上げて支払う」としている。月末払いの会社はこの書き方に合わせておけば、月をまたぐことはない。
2027年の給料日ごとに、休みに当たる回数を並べた。表の4枚目の数字だ。
| 給料日 | 前倒しで早まる回数 | 後ろ倒しで遅れる回数 | 後ろ倒しで給料が出ない月 |
|---|---|---|---|
| 10日 | 4回 | 4回 | 0 |
| 15日 | 2回 | 2回 | 0 |
| 20日 | 5回 | 5回 | 0 |
| 25日 | 4回 | 4回 | 0 |
| 末日 | 5回 | 5回 | 3 |
給料の出ない月ができるのは、末日払いの後ろ倒しだけだった。2016年から2027年まで、どの年も3つか4つ出る。末日払いを前倒しにすると2027年は1月29日、2月26日、7月30日、10月29日、12月30日に早まり、出ない月はなくなる。
所得税のほうも年をまたぐ。国税庁の所得税基本通達36-9は、支給日が決まっている給与の収入の時期を「その支給日」としている。2027年12月分の月給が2028年1月4日に出れば、2028年分の給与になると私は読んだ。毎年同じ決め方なら年に12回ずつで数は変わらないが、決め方を切り替えた年は11回か13回になる。決まりを変える年は、年末調整に入る給料の回数が変わる。控除額のほうの変わり目は令和8年分の年末調整の記事に書いた。
20日締め25日払いは、締めてから払うまで営業日が2日しかない
給与の担当者には、給料日そのものより締めから支払までの短さのほうが効く。20日締め当月25日払いで、締めの翌日から支払日の前日までの営業日を数えると、2027年は12か月のうち10か月が2日だった。6月が4日、12月が3日で、ほかは全部2日になる。
21日から24日の4日のうち土日が2日入る月が多いうえに、祝日も食い込む。2月は23日が天皇誕生日、3月は22日が春分の日の振替休日、11月は23日が勤労感謝の日で、どれも残るのは2日だ。
振込は支払日にお金が引き出せる状態にしておく必要がある。上のQ&Aは昭和63年の通達を引いて、振り込まれた賃金の全額が所定の支払日に払い出せることを求めている。表の2枚目のC8に「振込データを支払日の何営業日前に銀行へ渡すか」を入れると、その期限が締めの日から何営業日後かが出る。3営業日前で試すと、2027年は10か月で期限が締めの日の当日か、それより前になった。月末締め翌月25日払いなら、同じ数え方で13営業日から18営業日の余裕がある。
締めの予定を日付でなく第何営業日で組む方法は、月次の締めの記事に書いた。
Excelで「前の営業日」を出すと、平日の月まで1日早まる
前倒しの支払日を出そうとして、私は最初にこう書いた。
誤り =WORKDAY(本来の日,-1,休日の一覧)
正しい =WORKDAY(本来の日+1,-1,休日の一覧)
後ろ倒し =WORKDAY(本来の日-1,1,休日の一覧)
WORKDAYは開始日そのものを返さない。開始日から指定の日数だけ営業日を進めた日を返す。だから1つ目の式は、25日が平日でも24日を返す。2027年の25日払いで比べると、12か月のうち8か月で日付が違った。1月25日は月曜なのに、1つ目の式は前の金曜の1月22日を出す。表の2枚目のN列とO列にこの見本を残してある。
正しい式は、本来の日の翌日から1営業日戻る。本来の日が営業日ならその日に戻ってくるし、土日祝なら手前の営業日まで下がる。後ろ倒しは前日から1営業日進める。WORKDAYと祝日の一覧の作り方は、Excelで祝日を判定する記事にもう少し詳しく書いた。
祝日のCSVだけを渡すと、12月31日に払う表になる
もう1つの失敗は、休日の一覧に内閣府のCSVだけを入れたときに起きる。CSVには12月31日も1月2日も1月3日も載っていない。祝日ではないからだ。
銀行法第15条は銀行の休日を日曜日と政令で定める日に限るとし、銀行法施行令第5条第1項が、祝日法の休日、12月31日から翌年1月3日までの日、土曜日を挙げている。年末年始は銀行の休日だ。
表の1枚目から、銀行の休日の38行を消して末日払いで計算し直した。前倒しの決まりなのに、2026年も2027年も12月31日に払うと出た。2027年12月31日は金曜で、Excelから見れば平日だが、銀行は開いていない。後ろ倒しでは2026年12月31日の給料が年内に出たことになり、給料の出ない月は12月の代わりに1月になり、数は3つのままだった。12月の行だけ見れば日付は自然に見えるので、気づきにくい。
取引先への支払日を締め日とサイトから出すときも、同じ一覧を使う。そちらは支払予定表の記事にある。
配布した表の使い方
2枚目の黄色の欄に、年、給料日、休みに当たったときの扱い、締め日、締めの月、振込データを渡す日数を入れる。末日払いは給料日に31を入れる。2月や30日までの月は、その月の末日に揃う。一番上の灰色の行は前の年の12月分で、1月に入った給料の数と1月の間隔を出すために置いた。
3枚目は2016年から2027年の支払日を年ごとに並べ、早まった月を青、遅れた月を橙、3日以上ずれた月を赤で塗る。4枚目は10日、15日、20日、25日、末日の5つを前倒しと後ろ倒しで並べる。
1枚目は休日の一覧で、内閣府のCSVの2016年から2027年の行に、銀行の休日の12月31日から1月3日を足してある。夏季休業のように会社が休みで支払日もずらす日は、下の黄色の行に足す。同じCSVから作った表は2027年に祝日が土曜に重ならない記事にもある。
確かめていないこと
月末払いを翌営業日に送る決め方が労働基準法第24条に反するという行政の解釈は、通達の原文で確かめていない。確かめたのは条文と、厚生労働省のQ&Aの説明と、モデル就業規則の書き方までだ。
給与の収入の時期を、年をまたいだ12月分でどう扱うかは、税務署に確かめていない。通達の文言から読んだだけだ。
振込データを支払日の何営業日前までに銀行へ渡すかは、銀行と振込の種類で違う。表の3営業日は試しに入れた数字で、どこの銀行の規定も確かめていない。
2028年の祝日はまだCSVに載っていないので、2028年の給料日は出していない。2028年1月4日は銀行法施行令の年末年始の休みから出した日付で、祝日のほうは確かめていない。
給料日を25日にしている会社がどれくらいあるかは調べていない。



