年末ジャンボを1枚300円で買うと、平均して戻るのは149.995円だ。2025年の年末ジャンボ(第1082回)の当せん金と本数を、1等から7等まで等級ごとに掛けて足した。150円に5厘足りないのは、組違い賞の本数が1本分だけ少ないからだった。
平均と手元に戻る額は別物だ。連番10枚を3,000円で買ったとして、第1082回の当せん番号に下3ケタの並び100通りを当てはめると、87通りは7等の300円しか戻らなかった。10枚の期待値1,500円のうち600円は、2,000万枚に数十本しかない4等より上の当たりから来ている。
当せん金と本数は宝くじ公式サイトの2025年の年末ジャンボの発売案内と2024年の発売案内、売上の振り分けは収益金の使い道、受け取られていない当せん金は時効当せん金について、法律はe-Gov法令検索の当せん金付証票法で、どれも2026年10月6日に確かめた。計算はMicrosoft 365のExcel(バージョン16)で確認、2026年10月6日。
年末ジャンボの期待値はいくらか。等級ごとに掛けて足すと149.995円
年末ジャンボは「ユニット」という単位で売られる。01組から200組まで、1組10万枚で、1ユニットは2,000万枚。2025年は23ユニット、発売総額1,380億円の条件で当せん本数が発表されていた。1等の23本は、1ユニットに1本ずつという意味になる。
期待値は、1ユニットの中で当せん金を全部足し、2,000万枚で割れば出る。Excelではこう書いた。B列が当せん金、C列が23ユニット分の本数、B4が2,000万枚、B5が23だ。
1ユニットの本数 =C8/$B$5
1枚あたりの期待値 =B8*D8/$B$4
| 等級 | 当せん金 | 1ユニットの本数 | 1枚あたりの期待値 |
|---|---|---|---|
| 1等 | 7億円 | 1本 | 35.000円 |
| 1等の前後賞 | 1億5,000万円 | 2本 | 15.000円 |
| 1等の組違い賞 | 10万円 | 199本 | 0.995円 |
| 2等 | 1億円 | 1本 | 5.000円 |
| 3等 | 1,000万円 | 4本 | 2.000円 |
| 4等 | 100万円 | 40本 | 2.000円 |
| 5等 | 1万円 | 60,000本 | 30.000円 |
| 6等 | 3,000円 | 200,000本 | 30.000円 |
| 7等 | 300円 | 2,000,000本 | 30.000円 |
足すと149.995円になる。7億円の1等が持つのは35円で、1万円以下の5等から7等の3つを合わせると90円。300円のうち戻る分の6割は、ありふれた当たりが受け持っている。
5厘の端数は組違い賞から出ていた。1等と同じ番号で組だけが違う券に10万円が出るので、1ユニットの200組から1等の組を除いた199本になる。200本なら1ユニットの当せん金はちょうど30億円で、発売額60億円の5割だった。
この5割には法律の枠がある。当せん金付証票法第5条は、当せん金の総額が発売総額の5割を超えてはならないと決めている。同じ条の第2項は1枚の当せん金の上限を券の値段の50万倍とし、総務大臣が指定したくじは250万倍まで認める。300円の250万倍は7億5,000万円で、1等の7億円はその内側に収まっていた。
連番10枚で当たるのはいくらか。100通りのうち87通りは300円だけだった
10枚の期待値は1,500円になる。ただ、3,000円で買った人の手元に1,500円が戻るわけではない。どう戻るかは、当せん番号の決まり方で数えられる。
第1082回の当せん番号は、7等が下1ケタ0、6等が下2ケタ02、5等が下3ケタの345と819と350だった。本数から見ても筋が通る。7等は10枚に1本、6等は100枚に1本、5等は1,000枚に3本だ。
連番10枚は、下1ケタが0から9まで1枚ずつそろう。だから7等は誰でも必ず1本当たる。残りは、10枚の下3ケタが「000〜009」から「990〜999」までの100通りのどこに入るかで決まる。
- 6等は、10枚の10の位が0なら当たる。100通りのうち10通り。
- 5等は、345を含む「340〜349」、350を含む「350〜359」、819を含む「810〜819」の3通り。
- どちらにも入らない87通りは、7等の300円だけ。
5等から7等で戻る額の平均は900円になった。期待値1,500円との差の600円は、4等より上と組違い賞の分だ。10枚のどれかが4等以上か組違い賞に当たる確率は、10枚×1ユニット247本÷2,000万枚で0.0124%。8,000人に1人より少ない。
ここで取り違えやすい点が2つあった。1つ目は、期待値1,500円を「だいたい戻る額」と読むこと。実際は87%の人が300円、10%の人が3,300円、3%の人が10,300円で、1,500円前後が戻る人はいない。2つ目は、5等の3本が同じ10の位に入る年を考えないこと。たとえば5等が341と345と348なら、5等の並びは1通りに減り、300円だけの並びは89通りになる。表の黄色の欄に当せん番号を入れると、その年の数え方に切り替わる。
バラ10枚も下1ケタは0から9がそろうので、7等の1本は同じだ。下2ケタと下3ケタがどう散らばるかは確かめていないので、バラの数え方は表に入れていない。
当せん本数2.7倍の年に、100万円以上の当たりは9,453本から1,104本に減った
2025年の年末ジャンボは、1万円以上の当せん本数が前年の2.7倍になったと宣伝されていた。数えると、2024年の520,030本が2025年は1,385,681本で、2.66倍。ここまでは発表のとおりだ。
ところが期待値は、2024年も2025年も149.995円で1円も変わっていない。総額は同じまま、金額の帯の間で付け替えていた。
| 金額帯 | 2024年の期待値 | 2025年の期待値 | 2024年の本数 | 2025年の本数 |
|---|---|---|---|---|
| 1億円以上 | 50.000円 | 55.000円 | 69本 | 92本 |
| 100万円〜1億円未満 | 24.000円 | 4.000円 | 9,384本 | 1,012本 |
| 1万円〜100万円未満 | 15.995円 | 30.995円 | 510,577本 | 1,384,577本 |
| 1万円未満 | 60.000円 | 60.000円 | 50,600,000本 | 50,600,000本 |
2024年は3等が100万円で9,200本あり、それだけで1枚20円の期待値を持っていた。2025年は100万円の当たりが4等の920本だけになり、空いた20円は、15円が1万円〜100万円の帯に、5円が1億円に上がった2等に回った。帯の中では5万円の4等がなくなり、1万円の5等の期待値が10円から30円に増えている。
当せんの数が増えたと聞くと、得になったように感じる。私もそう思って表を作り始めた。実際は、10万円や100万円がたまに当たる形から、1万円がよく当たる形に変わっただけだった。
ネットには、2025年の年末ジャンボの期待値を171円、還元率を57%とするページもあった。公式の本数から数えると149.995円で、法律の5割の枠も超えられない。171円がどう数えた値かは確認していない。
年末ジャンボミニと比べると、1万円以上はミニのほうが少し当たりやすい
同じ時期に売られた年末ジャンボミニ(第1083回)は、1ユニット1,000万枚で、1等3,000万円が1ユニットに1本。こちらも1枚の期待値を足すと150.000円で、組違い賞がない分だけ5割ちょうどになる。
当たりやすさは少し違った。1万円以上が1本出るまでの平均は、年末ジャンボが332.0枚、ミニが302.7枚。3,000円以上なら76.9枚と75.2枚でほぼ同じ。100万円以上は年末ジャンボが416,667枚に1本、ミニが250,000枚に1本で、ミニのほうが届きやすい。そのかわり1等の額は23分の1以下になる。
何枚買えば1等に届くか。100枚3万円で20万人に1人
1等は1ユニットに1本なので、同じユニットの違う番号をN枚買えば、当たる確率はN÷2,000万になる。100枚買って3万円払っても0.0005%で、20万人に1人。300枚9万円で66,667人に1人だった。
確実に戻るのは7等だけで、10枚ごとに300円。100枚なら3,000円は戻り、期待値は14,999.5円、払った額との差はおよそ15,000円のマイナスになる。1万円以上が1本以上当たる確率は、くじが互いに無関係とみた近似で、100枚なら26.0%、300枚なら59.5%だった。
300円はどこへ行くか。当せん金は139.5円、自治体へ108.6円
宝くじ全体の令和6年度の販売実績は7,598億円で、46.5%が当せん金、36.2%が収益金として全国都道府県と20の指定都市へ、16.0%が印刷経費や売りさばき手数料、1.3%が社会貢献広報費に回っていた。1枚300円に直すと、当せん金が139.5円、自治体へ108.6円、経費が48.0円、広報費が3.9円になる。年末ジャンボだけの内訳ではない。
当せん金が5割より低い理由として、私は売れ残りと時効を考えている。当せん金の時効は支払開始日から1年で、受け取られなかった分は収益金と同じく発売元へ納められる。宝くじ公式サイトによると、第1082回の年末ジャンボには2026年9月30日の時点で、1億円以上の当せんが15本受け取られていなかった。支払期限は2027年1月7日だ。23ユニット全部が売れたとすれば、1億円以上は92本で、その16.3%にあたる。
当せん金には所得税がかからない(当せん金付証票法第13条)。手取りが当せん金と同じなのは、冬のボーナスの手取りのように社会保険料と所得税を引かれるお金と違うところだ。
配布した表の使い方
配布しているExcelは7枚のシートに分かれている。1_期待値に当せん金と本数を入れると、等級ごとの期待値と、法律の5割と250万倍の枠に収まるかが出る。2026年の年末ジャンボの条件が発表されたら、B列とC列を書き換えれば同じ数え方になる。

2_前年と比べるは金額帯ごとの比較、3_連番10枚は当せん番号の下ケタを入れて100通りを数えるシート、4_枚数は買う枚数ごとの確率、5_ミニと比べるは年末ジャンボミニ、6_売上の行き先は売上の振り分けと未換金の本数だ。
当たる確率で数える形は、年賀状のお年玉くじでも使った。お年玉くじの3等は100本に3本で、年末ジャンボの6等の100枚に1本より当たりやすい。換金は支払開始日からで、年末年始は銀行の窓口も閉まる。年末年始の最終営業日の記事に、銀行が休む日を並べている。
確かめていないこと
2026年の年末ジャンボの当せん金と本数は、2026年10月6日の時点で宝くじ公式サイトに出ていない。2025年と同じ条件になるかは確かめていない。
23ユニットは発表の前提で、実際に何ユニット売れたかは確かめていない。売れ残りがあれば、1億円以上の本数と、未換金の割合16.3%は変わる。
第1082回の5等・6等・7等の当せん番号は、新聞社の当せん番号一覧で見た。宝くじ公式サイトの当せん番号ページでは確かめていない。本数から見た当たりやすさとは合っている。
バラ10枚の番号の並び方と、ネット購入で番号がどう割り当てられるかは確かめていない。何人かで共同購入して当たったときに、分け方で贈与税がかかるかどうかも調べていない。



