住民税は年収いくらからかかるか。独身は119万円を1円超えると、子2人の4人家族は256万円から

2026-10-19仕事の型

2026年の年収にかかる住民税は、独身なら給与収入119万円以下で0円になる。夫婦と16歳未満の子2人の4人家族なら、255万9,999円以下で0円だ。どちらも東京23区のような1級地の線で、2級地と3級地では均等割の線が少し下がる。

数えていて目を引いたのは、線を越えてからの額だ。社会保険に入っている独身の会社員は、119万円を超えても138万1,840円までは均等割の5,000円しか払わない。4人家族は271万6,000円から所得割がかかり始め、280万8,000円までは給与が1万円増えるたびに住民税がおよそ7,000円増える。

住民税が0円で済む年収の上限。独身119万円、夫婦は均等割175万円と所得割186万円、夫婦と子1人は210万円と221万5,999円、夫婦と子2人は255万9,999円と271万5,999円

非課税の線はe-Gov法令検索の地方税法第295条第3項と附則第3条の3、地方税法施行令第47条の3、地方税法施行規則第9条の21第2項で確かめた。2026年の給与所得控除は船橋市の令和9年度の個人住民税の改正のページ、区の案内は大田区の住民税が課税されない方のページで見た。森林環境税は森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律第4条と第5条。どれも2026年10月19日に確認した。

住民税がかからない年収は独身119万円。2025年の年収なら110万円だった

住民税には、所得に関係なく同じ額をかける均等割と、所得に税率を掛ける所得割の2つがある。かからない線も2本ある。

均等割は、前年の合計所得金額が市区町村の条例で決めた額以下ならかからない。条例の額のもとになるのが施行令第47条の3で、35万円に級地ごとの率と世帯の人数を掛け、10万円を足す。配偶者か扶養親族がいれば、さらに21万円に率を掛けた額を足す。率は施行規則第9条の21第2項で、1級地が1.0、2級地が0.9、3級地が0.8だ。

所得割の線は附則第3条の3で、35万円に人数を掛けて10万円を足し、配偶者か扶養親族がいれば32万円を足す。こちらに級地の率はない。

独身で1級地なら、どちらの線も合計所得45万円になる。給与だけの人の合計所得は給与収入から給与所得控除を引いた額で、2026年の収入にかかる令和9年度の住民税では控除の最低額が74万円に上がった。45万円に74万円を足した119万円が線になる。

2025年の収入にかかる令和8年度、つまりいま給与から引かれている住民税は、控除の最低額が65万円だった。線は110万円で、1年で9万円上がっている。いつの年収がいつの住民税になるかは、特別徴収の記事に並べてある。

扶養がいると線はいくらになるか。16歳未満の子も人数に入る

人数には、収入の少ない配偶者と扶養親族を数える。所得税の扶養控除は16歳以上の子にしか付かないが、非課税の線の人数には16歳未満の子も入る。大田区のページも「扶養親族数」に16歳未満を含むと書いている。

給与収入に直すと次のとおり。配偶者は2026年の合計所得62万円以下、給与だけなら収入136万円以下の人を数えた。

世帯 均等割・1級地 均等割・2級地 均等割・3級地 所得割
独身 119万円 115万5,000円 112万円 119万円
夫婦 175万円 165万9,000円 156万8,000円 186万円
夫婦と子1人 210万円 197万4,000円 184万8,000円 221万5,999円
夫婦と子2人 255万9,999円 232万7,999円 212万8,000円 271万5,999円

どれも「この額以下なら0円」の上限だ。端数が999円になる行は、給与収入220万円を超えると給与所得を4,000円単位で出すためで、256万円ちょうどで合計所得が171万2,000円になり線を越える。

均等割の線は所得割の線より低い。独身の1級地だけ2本が重なり、それ以外は2本の間に「均等割だけかかる」帯ができる。3級地の独身なら112万円を超えて119万円までがその帯だ。

年収120万円の独身の住民税は5,000円。所得割は138万円から

均等割と森林環境税を合わせると、東京23区では特別区民税3,000円、都民税1,000円、森林環境税1,000円の5,000円になる。森林環境税も法律第4条で同じ形の線を持つ。

119万円を超えた独身の会社員は、所得割の線も越えている。それでも所得割はすぐには出ない。所得割は合計所得から社会保険料と基礎控除43万円を引いた額にかかるからだ。

協会けんぽ東京支部の40歳未満、年収120万円なら社会保険料は年17万2,872円。合計所得46万円から社会保険料と43万円を引くとマイナスで、所得割は0円になる。所得割が初めて100円出るのは年収138万1,840円で、そこまでは均等割の5,000円だけだ。

社会保険に入っていないパートの人は控除が基礎控除だけなので、119万0,167円で所得割が100円になる。同じ独身でも、所得割が出る年収は社会保険の有無で19万円ほど違う。

計算の例を2つ置く。

  1. 独身、年収150万円。合計所得76万円、社会保険料22万2,048円、基礎控除43万円で、課税される所得は10万7,000円。区民税6%と都民税4%から調整控除を引き、100円未満を切り捨てると所得割は8,100円。均等割と合わせて1万3,100円。
  2. 独身、年収500万円。合計所得356万円、社会保険料72万3,132円で、課税される所得は240万6,000円。区民税14万2,800円と都民税9万5,200円で所得割23万8,000円、合計24万3,000円。手取りの早見表の500万円の行と同じ額になる。

4人家族は線を越えた直後に増えた分の7割が住民税になる

所得割の線を1円越えたとたんに数万円の所得割がかかるわけではない。附則第3条の3第5項に減額の決まりがある。合計所得から所得割を引いた額が線を下回るなら、下回った分を所得割から引く。所得割は「合計所得マイナス線」までに抑えられる。

夫婦と16歳未満の子2人、1級地、社会保険あり、配偶者の収入なしで数えた。

年収 合計所得 減額前の所得割 減額後の所得割 住民税
271万5,999円 181万8,400円 線の内側 0円 5,000円
271万6,000円 182万1,200円 62,200円 1,100円 6,100円
275万円 184万3,600円 64,500円 23,500円 28,500円
280万円 188万円 64,600円 60,000円 65,000円
280万8,000円 188万5,600円 65,100円 65,100円 70,100円

減額がなければ、271万6,000円で所得割が一度に6万2,200円かかっていた。実際には280万8,000円まで、給与所得の増えた分がほぼそのまま所得割になる。給与所得は給与収入の7割で増えるので、給与1万円につき住民税はおよそ7,000円増える。

この帯では社会保険料の等級も276万円のあたりで上がる。所得税と社会保険料まで引いた手取りは、271万5,999円で232万2,299円、280万8,000円で231万3,088円だった。年収が9万2,001円多いほうが、手取りは9,211円少ない。

前年の給与所得から住民税がかかるかを決める順番。均等割の線、所得割の線、所得割を引いたあとの額の3つで分かれる

年収200万〜1,000万円の住民税はいくらか

2026年の給与収入にかかる令和9年度の住民税を、1級地、協会けんぽ東京支部、40歳未満、給与だけ、賞与なしで数えた。配偶者は収入なし、子は2人とも16歳未満と、2人とも16〜18歳の2通りにした。

年収 独身 夫婦 夫婦と16歳未満の子2人 夫婦と16〜18歳の子2人
200万円 55,500 20,000 0 0
250万円 91,000 55,500 0 0
300万円 115,600 80,100 80,100 12,000
350万円 143,500 108,000 108,000 37,000
400万円 175,500 140,000 140,000 69,000
450万円 208,500 173,000 173,000 102,000
500万円 243,000 210,000 210,000 136,500
550万円 272,600 239,600 239,600 166,100
600万円 307,200 274,200 274,200 203,600
650万円 342,000 309,000 309,000 243,000
700万円 375,500 342,500 342,500 276,500
750万円 415,000 382,000 382,000 316,000
800万円 453,000 420,000 420,000 354,000
850万円 495,800 462,800 462,800 396,800
900万円 543,100 510,100 510,100 444,100
950万円 590,500 557,500 557,500 491,500
1,000万円 637,800 604,800 604,800 538,800

単位は円。300万円から上では、16歳未満の子2人の家族と夫婦だけの家族が同じ額になる。16歳未満の子は扶養控除の対象でなく、効くのは非課税の線だけだからだ。250万円の行で0円と5万5,500円に分かれるのは、4人家族が線の内側にいるためだ。

16〜18歳の子は1人につき扶養控除33万円が付き、調整控除の差も1人5万円ある。年収500万円で、子が16歳未満の家族より7万3,500円少ない。

よくある取り違え

  1. 「年収100万円以下なら住民税はかからない」と覚えている。2024年の年収までの給与所得控除の最低額は国税庁のNo.1410「給与所得控除」にある55万円で、100万円は令和7年度までの独身1級地の線だ。2025年の年収なら110万円、2026年の年収なら119万円に上がっている。
  2. 16歳未満の子を人数に入れない。扶養控除がないので年末調整の書類に載らないことがあるが、非課税の線では1人として数える。夫婦と子2人の家族が子を数え忘れると、線を夫婦の175万円と取り違え、80万円以上低く見積もる。
  3. 社会保険料を引いてから線と比べる。線と比べるのは合計所得で、社会保険料を引く前の額だ。社会保険料が効くのは所得割の額のほうになる。

所得割から引かれるふるさと納税の控除が通知書のどこに載るかは、住民税から引かれたかの確認の記事で見られる。

計算の照合

Pythonで書き方を変えて2通り作った。1つ目は条文の順に、市と都道府県の所得割を別々に出してから附則の減額を比で割り振る。2つ目は給与所得を船橋市の表で出し、所得割を合計で出して「合計所得マイナス線」と比べてから6対4に分けた。年収100万〜1,200万円の1,000円刻みと、線のまわりの1円刻みを、4つの世帯と3つの級地で1,998,692件突き合わせ、不一致は0件だった。

手取り計算ツールの住民税とも33,003件を比べた。違ったのは夫婦の年収186万1,000円から186万3,000円の3件で、どれも附則の減額が効く行だった。

確かめていないこと

均等割の線は施行令の「参酌して定める」額で、実際の額は市区町村の条例で決まる。各市区町村の条例は大田区の案内のほかは確かめていない。住んでいる市区町村が何級地かも、級地の告示では確認していない。

障害者、未成年者、寡婦、ひとり親は、合計所得135万円以下なら非課税になる別の決まりが地方税法第295条第1項にある。給与だけなら2026年の年収で209万円にあたるが、この記事の表には入れていない。

税率は標準税率、均等割は東京23区の額で計算した。上乗せしている自治体の額、40歳以上の介護保険料、賞与がある場合、給与以外の所得がある場合は数えていない。2027年の年収にかかる令和10年度より先の改正の中身も確認していない。

年齢や扶養、賞与を入れて年間の住民税と手取りを出したいときは、手取り計算ツールで数えられる。

住民税非課税年収均等割所得割扶養令和9年度