年収の中央値を年齢別に数えた。30代は363万円、女性は25〜29歳の283万円が一番高かった

2026-10-19仕事の型

30代で会社に雇われて働く人の年収の中央値は363万円だった。正規の職員・従業員だけに絞ると428万円になる。どちらも総務省の就業構造基本調査にある年収の階級ごとの人数から、私が計算した値だ。

男女で分けると、年齢との関係がまるで違う。男性の中央値は55〜59歳の586万円まで上がり続ける。女性は25〜29歳の283万円が一番高く、そこから下がって55〜59歳では205万円になる。

女性の年収の中央値を年齢別に並べた棒グラフ。25〜29歳が283万円で最も高く、30〜34歳268万円、40〜44歳226万円、55〜59歳205万円、60〜64歳153万円と下がる。正規率は73%から25%まで下がる

人数は、e-Statにある令和4年就業構造基本調査 全国結果の第40表から取った。所得の決まりは総務省統計局の用語の解説で確かめた。どちらも2026年10月19日に確認した。計算はPythonで2通りに書いて照合し、配布しているExcelの表でも同じ値が出ることをMicrosoft 365のExcel(バージョン16)で確認、2026年10月19日。

国税庁の統計からは、年齢別の中央値が出せなかった

最初は国税庁の民間給与実態統計調査で数えるつもりだった。令和7年分の平均給与487万円と、給与階級別の人数から出した全体の中央値約419万円は、平均給与と中央値の記事に書いた。

ところが令和7年分の統計表のページにある表を全部開くと、年齢を扱うのは第10表から第12表だけで、中身は年齢階層ごとの人数、給与総額、平均給与だった。年齢と給与階級を掛け合わせた表はない。調査結果報告のPDFにも年齢別の平均給与の図はあるが、年齢別の分布はない。国税庁の表から年齢別の中央値を出すことはできない。

検索で上に出たページを開くと、転職サービスの登録者の集計か、国税庁の年齢別の平均を使ったものだった。登録者の集計は正社員で転職を考えている人に偏る。平均は年収の高い人に引っぱられる。国税庁の令和7年分で30〜34歳の平均は461.9万円だが、これを真ん中の人の年収と読むと高すぎる。

政府の統計で、年齢と男女と雇用形態ごとに年収の分布が載っているのは、総務省の就業構造基本調査だった。5年に1度の調査で、出ている中で一番新しいのは2022年10月1日に調べた令和4年の結果だ。次の調査は2027年になる。

この調査の所得は、本業から通常得ている年間の税込み額だ。雇われて働く人の場合は、過去1年間(2021年10月〜2022年9月)の賃金、給料、諸手当、ボーナスの合計になる。途中で仕事を変えた人や新しく就いた人は、1年間働いたとしたときの見積りの額で答えている。副業の収入は入らない。民間だけでなく官公庁の職員も入る。

30代の年収の中央値はいくらか。年代別・男女別・正規と非正規で並べた

ここでいう「全体」は、正規の職員・従業員と非正規の職員・従業員を足した人数で、会社などの役員は入れていない。正規か非正規かは、勤め先での呼ばれ方で分かれる。

年代 全体 男性 女性 正規の男性 正規の女性 非正規
20代 273万円 305万円 246万円 349万円 292万円 106万円
30代 363万円 453万円 251万円 475万円 348万円 144万円
40代 381万円 524万円 222万円 552万円 376万円 131万円
50代 380万円 576万円 207万円 614万円 390万円 135万円
60代 216万円 291万円 136万円 385万円 284万円 149万円
全年齢 305万円 417万円 211万円 482万円 337万円 128万円

全体の中央値は40代と50代でほぼ同じだ。男性が上がる分を、女性が下がる分が打ち消している。正規の男女を足した全年齢の中央値は424万円で、国税庁の令和7年分から出した約419万円と近い。対象も年も違うが、どちらも大きく外れてはいないと見ている。

20代の非正規が106万円と低いのは、学生のアルバイトが入っているためだ。第40表には在学中かどうかの列もあるが、ここでは分けていない。

5歳刻みにすると、山の位置がはっきりする。

年齢 男性 女性 正規の男性 正規の女性
20〜24歳 233万円 216万円 293万円 260万円
25〜29歳 360万円 283万円 381万円 325万円
30〜34歳 431万円 268万円 454万円 346万円
35〜39歳 476万円 238万円 498万円 351万円
40〜44歳 507万円 226万円 535万円 369万円
45〜49歳 541万円 219万円 567万円 383万円
50〜54歳 569万円 209万円 601万円 387万円
55〜59歳 586万円 205万円 631万円 393万円
60〜64歳 348万円 153万円 411万円 303万円
65〜69歳 213万円 114万円 314万円 236万円

正規の男性は55〜59歳の631万円が山で、60〜64歳では411万円に落ちる。落ち方は220万円で、定年と再雇用の切り替えがこの年齢に集まっているからだと思う。調査の表からは理由までは分からない。

30代の幅も出しておく。下から25%の人と、上から25%の人の年収だ。30代の全体では下から25%が226万円、上から25%が513万円になる。30代の男性で上位25%に入るのは586万円から、正規の女性なら460万円からだ。

女性の中央値が20代後半から下がるのは、正規の人が減るから

女性の中央値が下がるのを見て、最初は同じ人の給料が年齢とともに下がっているのかと思った。正規の女性だけで並べ直すと、そうではなかった。正規の女性の中央値は25〜29歳の325万円から55〜59歳の393万円まで、ゆっくり上がっている。非正規の女性は、10歳刻みで30代132万円、40代123万円、50代126万円とほとんど動かない。

動いているのは、正規と非正規の割合だ。正規と非正規を足した人数のうち正規の人の割合は、女性の25〜29歳で73.4%、30〜34歳で64.3%、40〜44歳で49.7%、55〜59歳で41.3%まで下がる。男性は30〜34歳から55〜59歳まで88.7%から91.8%の間にある。

中央値は真ん中の人の年収なので、年収の低い側の人が増えると、真ん中の位置が下にずれる。50代の女性では、正規の人より非正規の人のほうが多い。だから、正規の中央値も非正規の中央値も下がっていないのに、足した中央値は下がる。

この調査は同じ人を追いかけたものではない。2022年に25〜29歳だった人と55〜59歳だった人は、育った時代も入社した時期も違う。今の20代の女性が30年後に同じ割合になるとは言えない。

中央値は、階級の中を直線で補って出した

第40表の人数は、50万円未満、50〜99万円と続き、300万円からは100万円刻み、1,000万円からは250万円刻み、最後が1,500万円以上の16階級になっている。中央値は表にないので、次の順で出した。

  1. 年収の低い階級から人数を足し、全体の半分に届く階級を探す。
  2. その階級の中では人が均等に並んでいると置く。
  3. 半分の位置まで、階級の下限から直線で進める。

30〜34歳の全体で試すと、300万円未満までに198万4,300人いて、全体519万3,800人の38.2%になる。半分の259万6,900人まで、あと61万2,600人足りない。次の300〜399万円の階級には106万7,100人いるので、その57.4%の位置が中央値で、300万円に100万円の57.4%を足した357.4万円になる。

均等に並ぶという置き方は仮定だ。国税庁の表では階級ごとの平均給与が出ていたので傾きを付けて比べられたが、この調査の表には階級の中の平均がない。国税庁の表で試したときは、均等と傾き付きの差が1万円もなかった。この表で同じ比べ方はできていない。

計算は、累積の人数を前から足して補うやり方と、累積の割合を折れ線の関数にして半分になる年収を二分法で探すやり方の2通りをPythonで書いた。16の年齢区分、男女と計の3つ、正規・非正規・その合計の3つで144区分、それぞれ下から25%、中央値、上から25%の432個を照合して、ずれは0件だった。配布するExcelの数式で出した432個も、Pythonの値と0.05万円以内で一致した。差は、比べたPythonの値を小数1桁に丸めたことによる。

数え方を間違えるとどうずれるか

1つめは、一番人数の多い階級を「普通の年収」と読む間違い。30〜34歳の全体で一番人数が多いのは300〜399万円の階級で、20.5%いる。ただしこの階級は幅が100万円あり、その下の200〜249万円は幅が50万円しかない。幅1万円あたりの人数で比べると、200〜249万円のほうが多い。階級の幅がそろっていない表では、人数の多さで山の位置を決められない。

2つめは、年収を答えていない人を分母に入れる間違い。第40表の総数の列には、所得が分からない人も入っている。30代の正規の人では、階級の人数を足すと815万5,100人、総数は822万100人で、6万5,000人の差がある。この差を分母に残すと、30代の正規の中央値は428.1万円が430.0万円になる。差は2万円ほどだが、分子と分母の数え方がそろっていないことになる。

ほかに、会社などの役員を入れると50代の全体の中央値は379.7万円から391.5万円に上がった。役員は正規にも非正規にも入らないので、この記事の数字からは外している。

自分の年収が同じ年齢の中で上位何%かを出す表

配布しているExcelは、年齢、男女、雇用形態を選び、年収を万円で入れると、その区分の中央値と、自分の年収より少ない人の割合が出る。年齢は5歳刻みの10区分と、10歳刻みの5区分、全年齢から選べる。

年齢30〜34歳、男女は計、雇用形態は正規と非正規の計、年収400万円を入れた表。中央値357.4万円、下から25%の年収231.3万円、上から25%の年収491.3万円、上位41.2%と出て、右の階級別の人数の表では400〜499万円の行が緑になっている

30〜34歳で年収400万円なら上位41.2%で、中央値の357.4万円より上にいる。国税庁の30〜34歳の平均461.9万円と比べると下に見えるが、真ん中の人と比べれば上だ。

30代の正規の男性で年収500万円なら上位44.3%になる。50代の女性で年収300万円なら上位31.9%で、下から数えて7割近い位置にいる。同じ300万円でも、50代の正規の男性の中では下から9.1%の位置になる。

自分の年収をどの中央値と比べるかの分かれ道。税込みで賞与を含む年額でなければ源泉徴収票の支払金額で比べ直す。年齢と雇用形態をそろえないなら全体の中央値305万円と、そろえるなら正規かどうかで同じ年齢と性別の正規か非正規の中央値と比べる

比べる年収は、税と社会保険料を引く前の、賞与を含む年額にする。給与明細の手取りの12か月分とは違う。源泉徴収票なら支払金額の欄が近い。

1,500万円以上の階級は上限がないので、その中の並びは出していない。1,500万円以上を入れたときに出るのは、1,500万円より少ない人の割合だ。

中央値の年収は、手取りにするといくらか

30代の中央値363万円は税込みの額で、手元に残るのはもっと少ない。年収の手取り早見表では、2026年の決まりで独身、東京都、40歳未満の会社員として、年収350万円の手取りを278万7,364円、400万円を316万8,344円と数えた。363万円はこの間に入るので、手取りは290万円前後になる。

正規の男性の50代の中央値614万円や、30代の正規の女性の348万円も、同じ表の行の間で見当がつく。自分が今どの年齢の欄に入るかは、年齢早見表で生まれ年から満年齢を引ける。扶養する家族がいるか、どの健康保険に入っているかで手取りは変わる。

確かめていないこと

就業構造基本調査の年収は2021年10月から2022年9月までの額で、その後の賃上げは入っていない。国税庁の累年比較の表では、平均給与が令和4年分の457.6万円から令和7年分の486.6万円まで6.3%上がっている。年齢別の中央値が同じだけ上がったかは確かめていない。2027年の調査の結果が出たら数え直す。

人数は100人単位で丸めてある。男性と女性の人数を足しても計の列と合わない欄が115か所あったので、計の数字は表の計の列をそのまま使った。

階級の中で人が均等に並ぶという置き方が、どれだけ実際とずれているかは確かめていない。この調査の表には、階級の中の平均年収がないためだ。

自分の年収が税と社会保険料を引くといくらになるかは、手取り計算に年収を入れると出る。

動作確認: Microsoft 365のExcel(バージョン16) / Windows 11 / 2026-10-19確認

年収中央値年齢別正社員非正規就業構造基本調査